· 本共同研究の内容

(1)研究発信のためのインフラの整備とデータベースの作成

各方面と連携しつつ、研究発信のプラットフォームとして本ウェブサイト を作成し、SNSも積極的に活用します。プラットフォームの運用については、プロジェクトおよびその研究状況を把握する助教およびアルバイトがこれを担当します。

(2)中国の現状理解と中国研究の方法論的探求

中国の現状理解と中国研究の方法論的探求、および後述のアジアの中国研究の連携という本共同研究の目的達成のためには、中国に対する適切な分析視角と研究体制が不可欠です。 そのために、第一に習近平政権期の中国政治と社会、第二に中国の技術革新と経済社会、第三に中国の対外政策とアジア(一帯一路含む)、という三つの論点を設定し、適宜新たな論点を加えつつ、内外の研究者および産学官各方面と連携してこれらの問題を総合的に検討します。また、幹事をはじめとしたメンバーが企画を担当し、年に一度大型シンポジウム、あるいはワークショップなどを開催し、研究成果を発信します。その際、現在各方面で進められている他の共同研究との連携も視野に入れる予定です。

(3)アジアの中国研究者との連携

本共同研究幹事の一人である園田茂人を理事長とするアジア政経学会による2018年度樫山セミナーでの試みや、同じく幹事の高原明生が科研費プロジェクトとして進めてきたアジア諸国の中国研究者との連携を参考に、アジア各地の中国研究機関との提携および研究者個人との交流を通して各研究班およびプロジェクトメンバー全体との関係を強化し、問題意識や課題を共有するとともに、日本の研究動向についても発信します。

(4)日本の中国研究の分野間連携と発信

日本国内における中国研究者の連携についてはNIFUや東京大学社会学研究所現代中国拠点において進められてきたものの、従来の蓄積や連携が可視化されているとは言い難い状況にあります。そこで本プロジェクトは、上記の試みを参考に、日本国内における中国研究者のための新たな交流のプラットフォームを構築することを単年度で可能な限り目指します。また成果発信の面では、現代中国研究拠点が進めていた「当代中国研究」の活動や、幹事の天児慧が推進しているJournal of Contemporary East Asian Studiesといった事例から学びつつ、日、中、英の三言語による紹介を実施し、研究データや研究動向などをウェブ上で発信していきます。SNSの活用も想定しています。